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第6回 国際化と優秀な人材確保の一石二鳥の狙い方 ~国際化・人材確保・就業管理・中小企業白書~

今後、日本では国内需要の大幅な増加を見込むことが困難なため、大企業だけでなく中小企業にとっても国外へ事業を拡大していくことが必要と言われています。一方、第2回でも触れたように、就職氷河期であると言われながらも、多くの中小企業は4年生大学新卒者の採用に苦労しています。そこで国際化と優秀な人材の確保という一石二鳥をねらって外国人の採用に取り組む中小企業が増えてきています。それでは、この取り組みにあたって何に留意する必要があるのでしょうか?


ITコンサルタント美咲いずみ登場

静岡県にある宮木金属加工(仮名)の売上は東日本大震災の影響で落ち込んでいたが、金太郎のアドバイスで事業継続計画を立てたことをきっかけに(第5回参照)、徐々に回復傾向にあった。

今日は、金太郎の月1回の定例訪問の日だ。

「おや、今日は女性連れかい?」
宮木社長は、金太郎が同行した女性を珍しそうに見ながら言った。

「初めまして。美咲いずみと申します。」

名刺の肩書きに“中小企業のITコンサルタント”とあった。

「これから中小企業のIT化のお手伝いにも力を入れようと思いまして。」
金太郎がこう切り出す。

亀田コンサルティング事務所は、金太郎の父である亀田尊大が個人で始めた会社だ。最近、尊大は隠居と称して金太郎に仕事を任せきりである。宮木金属加工をはじめとする多くの会社は尊大の時代からのクライアントだが、金太郎の代になってからもほとんどが契約を継続してくれている。無料相談や口コミを通じてクライアントが増えてきたので、金太郎1人では人手不足になってきた。
そこで金太郎は新しいコンサルタントを雇うことにした。その際に考えたのが、中小企業のIT化に力を入れようということだった。金太郎はSE(システムエンジニア)の経験があるのでITの話はよく分かる。しかし最新の技術にはあまり自信がないので、以下のような募集広告を出した。

「最新のITを調査・分析・選択・提案可能な人材求む。年齢・資格・性別・コンサル経験等不問。人柄重視。」

これに応募してきたのが美咲いずみである。いずみは中堅のシステムベンダーにSEとして5年勤務、現在27歳である。

いずみが、あるシステムプロジェクトに企画段階から参加したとき、業務支援に来ていた外部のシステムコンサルタントがいた。いずみはその仕事ぶりを見てコンサルタントに憧れたが、彼女の会社にはコンサルタントへのキャリアパスがなかった。それで金太郎の募集に応募したのだという。

金太郎はいずみの熱心さが感じられたので、採用することにした。他に応募がなかったという事情もあった。少し気になったのは、いずみの視点が技術寄りで、顧客目線で考えることがまだできていないところだった。
金太郎は、自分が20代のときも同じだったろうと思い直し、いずみを少しずつ育てていくことにした。

外国人を採用する会社が増えてきた

「IT化の支援か。うちに関係あるかなあ。」
宮木社長はあまり気乗りがしない様子だ。

「無理にIT化を勧めはしません。ただ、食わず嫌いで導入しない会社も多いんです。IT化した方がメリットがあるのに、好き嫌いで判断していてはもったいないですからね。」

「金太郎先生のことだから、意味のない提案はしないと信じてるさ。ところで、おかげさまで少し売上が上向いてきたので、さらに積極的にいこうと思ってるんだ。」

宮木社長は少し興奮気味に言った。

「ほう、どういう方向でしょう。」

「外国人を採用しようと思うんだよ。」

「どういうねらいですか?」

「1つは国際化。すぐではないけれど海外進出していこうと思ってるんだ。外国人の採用はそのための準備だよ。今後、内需が拡大する見込みはあまりないからね。」

「さすがです!実際に輸出をしている会社ほど、海外に魅力を感じているんです。こちらのグラフを見てください。」
金太郎は『中小企業白書 2011』の261ページを開いて、第3-2-20図「消費地としての国外に関する中小企業の意識」を示した。

「“国外に財・サービスを販売・提供している”企業の85%が海外に魅力を感じています。そうしていない企業では、魅力を感じているのは36.9%に過ぎません。」

「ふむ。このグラフを見ていると、意識の差が成果の差になり、結果として魅力を感じる割合の差になっていると推察できそうだね。」
宮木社長はこのようにまとめてさらに続けた。

「で、もう1つあるんだけど、採用難の解消。われわれのような中小企業、特に製造業にはなかなか人が来てくれなくてねえ。」

「はい。ほかのお客様でも同様の悩みを抱えておられるところが多いですね。」
金太郎は栃木県の花村社長(第2回参照)を思い浮かべた。

「あのお、ちょっとよろしいでしょうか。」
いずみが、遠慮がちに口を開いた。

「私の就職活動は7年前でしたが、いまでもあまり変わっていないと思うんです。中小企業に就職したいというとまず親が反対するんです。『そんなよく知らない会社で大丈夫なのか』って。あと男子学生だと、つきあっている相手が『一流企業にしてね』とか、そういう事情がどうしてもあるんですね。ですけど外国の人だったら…。」

「外国人にはそういうしがらみがないと言いたいんだね。希望が持てそうじゃないか。」
宮木社長がにっこりしたので、いずみもうれしそうな顔になった。

外国人人材確保に必要な取り組みをまず考えよう

いずみが続ける。
「でも、外国人を雇うのであれば、労務管理が難しくなるかもしれませんね。それについてはいいソフトウェアが…。」

「美咲さん、結論を急がないようにしよう。もう少し検討する必要もあるからね。」
金太郎はそう言って宮木社長に向き直った。
「社長が外国人を雇用するねらいを確認しますと、1つは国際化、もう1つは優秀な人材の採用、つまり一石二鳥をねらっているということでいいですか?」

宮木社長はうなずく。

金太郎は美咲に言う。
「美咲さん、外国人を採用するにあたってどんな取り組みが必要かを考えてみよう。どういうことがあると思う?」

「そうですねえ。労務管理のほかでしたら、例えば言葉の問題でしょうか。」

「文化の違いも大きそうだね」
宮木社長も身を乗り出す。

「こちらを見てください。」
金太郎は『中小企業白書 2011』の289ページ、第3-2-53図「外国人人材を活用するために中小企業が必要と感じる取組」を示した。
「大きく5つの取り組みが必要だと皆、感じているようですね。」


 ・外国人に日本の職場環境・文化について学ぶ機会の提供(44.1%、28.8%)
 ・外国人に対する日本語研修への助成(38.2%、26.7%)
 ・自社の日本人社員の外国語研修への助成(36.2%、27.3%)
 ・外国人の労務管理についての情報提供(31.5%、24.4%)
 ・外国人の採用についての情報提供(27.8%、20.2%)

  (左の数字は「外国人人材が社内にいる」企業、右の数字はそうでない企業)


外国人人材がいる企業の方が全般に必要と感じている割合が高い。しかし、外国人人材がいてもいなくても同じような取り組みを必要と感じており、その順位もほぼ同じである。

労務管理にITを

「美咲さん、こうなるとITで支援できそうなのは?」
金太郎が質問を投げかける。

「職場環境や文化に対する理解、外国人・日本人双方への言語教育などについては、eラーニングのソフトウェアなどを活用できる可能性があります。あとは労務管理ぐらいですが、労務管理ソフトウェアを導入することで、同時に外国人の労務管理についてのノウハウが得られる可能性がありますね。」

「では社長、労務管理ソフトウェアについて一緒に検討してみましょうか?」

「ほかの問題についても一緒に検討してくれるんならね。」

「もちろんです!」
金太郎は元気よく答えた。

まとめ

・今後、内需の拡大が期待されないので、海外進出は重要な検討課題の1つである。

・優秀な人材の確保との一石二鳥をねらって外国人の採用も一緒に検討したい。

・外国人を採用するにあたっては、(1)日本の職場環境や文化について知ってもらう(2)外国人の日本語教育(3)日本人の外国語教育
  (4)労務管理(5)採用情報の取得―の5つが課題になる

いずみの目

今回は提案を急いで失敗してしまった、美咲いずみです。
「外国人を雇用する際に労務管理が難しい」と言う経営者は多いみたいです。とはいっても、外国人労働者向けの特別な仕組みが必要ということではありません。日本の会社が国内で直接雇用する場合には、労働三法をはじめとする日本の法律が彼らにも適用されるんです。
だから法律に則した労務管理をきちんと実施していれば何の問題もありません。ただ、外国人の場合、本当に法律どおりなのか追及してくるケースもあります。日本人同士なら“あうんの呼吸”で済ませようとするところでも、彼らはきちんとした説明を求めることが多いんです。海外の経営者も同じ問題で悩んでいるようで、彼らは「業務マニュアルどおりにシステムを運用することで、法律が守られるようになってます」と説明するそうなんです。
紙ベースだと曖昧になりがちなところも厳密に処理されます。労務管理もIT化を検討してみてはいかがでしょうか?
いずみのオススメ、まずはこちら

[ITブレークスルー代表 森川 滋之 記]

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