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第16回 女性の起業が社会を救う~起業の課題とBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)~

中小企業の場合、海外進出について検討はしていても実際に踏み出せない企業が多いのが現状です。その主な理由は、海外進出に必要な人材が社内にいないと感じていることにあるようです。今回は、本当に人材の問題が海外進出を妨げているのか、どうすれば解決できるのかを考えてみます。



椎名社長、新事業を始める

「前にIT活用の話で相談に乗ってもらったとき、家事代行サービスの話が出たわよね(第4回参照)」

千葉市で雑貨の仕入販売会社セシボン(仮名)を営んでいる椎名めぐみ(仮名)社長は、経営コンサルタント亀田金太郎の到着を待ちわびていたかのように切り出した。

金太郎に同行した助手のITコンサルタント美咲いずみは、何の話だろうと興味津々だ。いずみは金太郎から椎名社長の話を聞き、ひそかに憧れていたのである。

「はい、東京都中央区のベアーズさんですね。それが何か?」と金太郎。

「おかげさまで、うちの会社もIT化して事務が効率化された分、時間を作れるようになってきたの。そこで、ずっと構想を温めていた事業を始めようと思ってるのよ。今日はその相談。」

「ベアーズさんと関係する事業なんですか?」

「ベアーズさんも、女性が起業したのよね。私ね、日本の女性はもっともっと社会に出るべきだと思うの。だから、自分の経験を生かして、セシボンやベアーズさんのような女性による起業を支援する事業をしようと考えていたの。」

女性の起業が社会貢献につながる

「それはチャンスがあると思います」いずみが意気込んで言う。

「『中小企業白書 2012』の第2章は「需要の創出・獲得に挑む事業活動」というタイトルですが、その第2節は「社会環境の変化に対応する女性の事業活動」になっていて、20ページとちょっとを丸々、女性の事業活動の話に割いているんです。」

いずみはここまで言うと、思い出したように金太郎を見た。いずみは時々、先を急ぎすぎて金太郎にたしなめられるからだ。しかし、今日の金太郎は「続けて」と目で促している。

「そうなの。どういうことが書いてあるか、かいつまんで聞かせてくれる?」と椎名社長。

「ひと言で言えば、『女性の社会進出が社会貢献になる』というようなことなんです。」

いずみは、『中小企業白書 2012』の136ページを開き「第2-2-58図 女性の起業と就業の関係」を示した。

第2-2-58図 女性の起業と就業の関係
女性の起業と就業の関係(出典:『中小企業白書 2012』)

「なるほど。まず、『暮らしや社会を充実させるサービス』や『女性の社会参加の課題解決サービス』といった女性の特質が生かせる分野で女性は起業しましょう。すると内需も増えるし、女性の就業も進む。女性の就業が進めば所得も増えて、新たな需要も創出される。そうなると女性だけでなく、多くの企業が潤うようになる。こういう好循環が起こると言っているのね。」

「はい。社長がやろうとなさっていることはまさに『女性の社会参加の課題解決サービス』ですから、時流にも乗っています。」

「目の付けどころはよかったというわけね。」

女性による起業の実態

「ところで、女性による起業の実態はどうなの?」

「そうですね、少し古いんですが平成19(2007年)の資料があります。」

いずみは116ページの「第2-2-44図 男女別の起業家の起業分野」を示しながら説明を始めた。

「2007年には、女性7万8千人、男性14万3千人が起業しています。男性の場合は建設業の比率が高いといった特長も一部ではありますが、比較的まんべんなく業種を選択しています。それに対して女性は『個人向けサービス業』の比率が40%と高いという著しい特長があります。ちなみに男性は17%です。」

椎名社長が手元の電卓で計算する。

「ということは、女性は約3万1千人、男性は約2万4千人が『個人向けサービス業』で起業していることになるわね。確かに女性優位の業種のようね。」

「はい。『個人向けサービス業』は、内需が縮小している中でも、家計の支出に占める割合は基本的に増加傾向にあります。2011年も前年より増えています」いずみは、116ページの「第2-2-43図 家計(勤労者世帯)における個人向けサービス分野の支出割合の推移」を示した。

「だからチャンスがあるってことね。ところで、『個人向けサービス業』って具体的にはどんなもの?」

「飲食店・宿泊業、医療・福祉、教育・学習支援、洗濯・理容・美容・浴場業、生活関連サービス業のことです。医療や理容など資格が必要な業種もありますが、多くは主婦層と親和性が高そうな仕事ですね。」

どうして『個人向けサービス業』で女性の起業が増えているのか

「私が考えているのは、主婦層をターゲットにした起業の支援なの。それは主婦に向いた仕事になるはずね。フルタイムでの就職は難しい、でも仕事はしたいという人が多いと思うのよ。」

「おっしゃるとおりです。それは統計でもはっきりしています」いずみはいつしか金太郎のような口ぶりである。

いずみは128ページの「第2-2-53図 M字カーブ解消による女性の労働力人口増加の試算」を示した。

「これは平成23年(2011年)の統計ですが、求職活動はしていないけれども就職したいと思っている女性が約342万人いることを示しているんですね。そして…」

次に132ページの「第2-2-55図 男女別の求職しない理由」を示しながら説明する。

「女性が求職しない理由ですが、1位が『家事・育児のため仕事が続けられそうにない』で32.7%、2位が『勤務時間・賃金などが希望にあう仕事がありそうにない』で13.7%。合わせて46.4%ですから、この2つで半分近いということになります。前の図とは統計年度が違うので正確な数は分かりませんが、少なくとも150万人以上が家庭を理由に求職できないでいると考えていいのではないでしょうか。」

「実感としてもそうだわ。30代ぐらいの主婦のお客さんと話していると、そういう愚痴をいう人がけっこういるわね。」

「そうなると、就職先やパート先を探すよりも、時間や環境と資金が許す範囲で自分で事業を始めてみようと思う女性が増えるのもうなずけます。」

女性の起業における課題

「ところで女性の起業の課題は何なのかしら?」

いずみは122ページの「第2-2-51図 男女別の起業時の課題(複数回答)」を示しながら答える。

「女性が多く感じている課題は、経営や事業に必要な知識やノウハウの不足ですね。男性より少し多く、4割程度の女性が感じています。」

「何か支援してもらいたいわね。」

「はい。次のページの『第2-2-52図 男女別の起業時に欲しかった支援(複数回答)』を見てください。」

図では以下の項目が挙げられている(カッコ内は女性の回答割合)。

1.同じような立場の人(経営者等)との交流の場(35.0%)
2.仕入先や販売先の紹介(29.1%)
3.低金利融資制度や税制面の優遇措置(23.0%)
4.経営に関するセミナーや講演会(16.5%)
5.保育施設や家事支援、介護支援等のサービスの拡充(5.2%)

男性と比較して5が著しく多く、1と4もかなり多い。

「人脈と教育を求めている女性が多いということね。私の新しい事業の大きなヒントになりそうだわ。例えば、女性向けに経営のための勉強会を定期的に開く、託児所併設で、帰りには夕食のおかずも持って帰ってもらうなんてサービスもつけるといいかもしれない。」

女性の起業にこそBPOを

「椎名社長、いいアイデアだと思います。深掘りしていきましょう。」

女性どうしの話を黙って聞いていた金太郎がようやく口を開いた。

「話を聞いていて、女性の起業に関わるキーワードが浮かんできました。」

「何?聞かせて。」

「BPOです。実は先日、海外進出を始めようとしている会社で、人材不足をBPOで補おうという話になったんです。BPOというのは、ビジネスプロセス・アウトソーシングを略したものです。例えば販売管理、システム運用など、業務を大きな単位で継続的に外部の企業に委託することです。」

「それが女性の起業とどう関係あるの?」

「例えば家事代行サービス、まさに家事のBPOなんですね。」

「あ、そうか。するとBPO的な仕事が女性の起業に向いているということ?」

「すべてがそうではないですが、BPO的な事業は、家庭できめ細かく家族を世話されてきた主婦の経験を生かせますし、共鳴してくれる女性従業員も集めやすいように思います。それと、もう一点。」

椎名社長といずみは「何?」というように金太郎を注視した。

「起業に際して、経営や事業に関する知識やノウハウがないことを課題にしている女性が多いのはさっき見たとおりですが、こういう部分こそBPOを活用すべきだと思うんです。」

「うちもITに関してはクラウドサービスを活用することで、業務が大きく効率化されたわ。要するに苦手なことについては積極的に外部を活用しましょうということよね?」椎名社長も納得の表情である。

「おっしゃるとおりです。ですから、ある程度軌道に乗ったら、雑務は外部に委託して、自社の強みが発揮できる部分により多くの時間を割くべきだと思うんです。これは男性も同じですが。」

「とは言っても資金がないとつらいですよね」と、いずみ。

「そうだね。でも、最近は個人事業主が利用できるようなリーズナブルな価格のBPOサービスもあります。」

「そうね。私の場合は事情があってやむをえず起業したから、分からないことはどんどん人に尋ねたり、少しでも安い仕入先を探したりしてたわ。起業にはそういうことも大切だと思うけど、主婦ではなかなか難しいかもしれない。そのあたりをお手伝いできるといいわね。」

「そのお手伝いも一種のBPOですね」と金太郎。

いずみは、椎名社長のような女性起業家たちが連携することによって女性の社会進出がさらに進むのだと思い、ワクワクしてきた。そして、これは男性にとってもビジネスチャンスが広がることだと思うのであった。

まとめ

・『個人向けサービス業』で起業する女性が増えている

・起業する女性たちの課題は、経営や事業に関するノウハウがないことであり、それを支援するサービスが求められている

・女性の起業においては、BPO的なサービスを提供しながら自分たちもBPOを活用することが成功要因になり得る

いずみの目

今回は、女性どうしで盛り上がって、金太郎先生にほとんど出番を与えなかった美咲いずみです。話しているうちに夢が膨らんでしまいました。
『中小企業白書 2012』には、女性の起業について多くの事例が載っています。今回は事例を紹介できませんでしたが、起業を考えている女性、また女性の起業支援をビジネスにしたい方はぜひ参考になさってください。
女性の起業の実態として小規模な事業が多いのですが、中には椎名社長のように大きな事業を目指している方もいます。そういう方々にとっては、IT資産の管理が悩みの種になることが多いようです。事業の拡大に伴い、最初は数台だったPCが何十台にもなり、プリンターやサーバーなども導入されてきます。そうなると管理が大変。IT資産の管理だけでなく、運用コスト削減の提案までしてくれるサービスがあるので、活用してみてはいかがでしょうか。 

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