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第72回 コロナ禍を乗り越える健康経営の戦略(1)~新型コロナが問い直す私たちの健康意識

新型コロナをきっかけに、多くの企業がテレワークを実施するようになりました。テレワークで、さまざまな業務が効率化するなどメリットが非常に多い反面、そのデメリットも数多く取りざたされています。なかでも、従業員と直接会えないなかで、従業員の健康状態を把握しきれない管理者も多いのではないでしょうか。
そうした現状に、企業が継続的な成長をするために、従業員の健康を経営的視点から考え、戦略的に実施する「健康経営」が注目されています。そこで、3回にわたり、健康経営について解説します。
今回は健康経営とはそもそも何かについて、お話します。



テレワークで見えなくなったもの

YMC電子工業(以下 YMC)は、埼玉県にある従業員約280人のEMS(Electronics Manufacturing Service)企業だ。同社の顧問ITコンサルタントである美咲いずみは、毎週月曜日のシステム部の部内会議に出席し、そのあと山田昭CIOとのコンサルティング・セッションの時間を持っている。

昨年春、緊急事態宣言が発令されてから、YMCのシステム部では、現場対応が必要な場合を除き、原則テレワークで業務を行っている。今日の会議も、もちろんオンラインで実施されている。当初はイレギュラー対応だったはずが、今ではこれが日常だ。画面の向こうの山田CIOに直接会ったのはいつだったか、美咲は正確に思い出せない。

部内会議が終わった。「お疲れさまでした。」次々と、部員メンバーたちがログアウトする。画面には山田といずみが残った。山田が口火を切る。「最近、従業員の健康状態が分からないんだ」

新型コロナによる新たな健康課題

山田は続ける。「テレワークになってから、従業員と直接会う機会がめっきり減ってね。パソコンの画面じゃ、顔色とかが分からなくてさ。直接会ってるときなら、あ、鼻声だなとか、微妙な変化に気付けるんだけど、オンラインじゃそうもいかなくてね。業務自体は効率化できたんだけど、いかんせん、密なコミュニケーションが取れなくなっちゃったから」

「実際に心身の不調を訴える声は、挙がっていますか?」

「最近、一部からチラホラと。精神的なストレスを感じるという声があったね。あとはテレワークでずっとパソコンの前で座りっぱなしのせいで、腰痛がひどくなったとか」

「新型コロナが生んだ新しい健康課題ですね。私が担当するほかのお客さまでも、心身の不調を訴える人が多くいらっしゃいます。肩こりや先程山田さんがおっしゃった精神的なストレス・腰痛を抱える方は多くなっています」

「なるほどね」

「また、症状には男女差があって、私の周りでは『冷え』で悩む女性が多いですね」

「ウチも女性従業員が増えてきたから意識しないとなあ」

「ほかに、通勤に伴う移動が無くなり運動量が減ったせいで、体重が増えてしまった方も多いですね」

山田から笑みがこぼれる。「私も太ったよ。以前は自転車通勤をしてたのに、今じゃずっと家にいるからね。でも食べる量は変わらないから」

「実は、私もです」。二人は笑った。

いずみは話を戻す。

「テレワークで見えてきた健康管理上の課題は大きく3つあると思います。
第一に、運動不足、生活リズムの乱れといった身体的なもの。
第二に、コミュニケーションロスからくるメンタル的なもの。
最後に、テレワーク環境の不備です。誰しもが職務に集中できる環境を確保できるわけではありません。育児や介護で集中できなかったり、不適切な騒音や気温、湿度のなかでの業務がストレスになったりしているかもしれません」

「そうか、そういった課題を一つずつ解決していけばいいのか」

「はい。課題を解決する試みを『健康投資』と言い、そのベースになる考え方を『健康経営』と言います」

「健康投資? 健康経営? 簡単な言葉の組み合わせだけど、一体何なんだい?」

健康経営・健康投資とは?

「まず健康経営は、すごく端的に言うと従業員が健康になればなるほど、会社の業績がどんどんあがるので、従業員の健康を促進していこうという考え方です。従業員が心身ともに健康であることで、彼らのやる気や生産性がぐっとあがると思いませんか?」

「確かにそうだね。健康じゃないと仕事もプライベートも、はかどらないからね。余裕がないと、新しいアイデアも浮かんでこないだろうし。」

「活気ある組織は健康な従業員あってこそです。企業の成長ポテンシャルが大きく向上しますし、イノベーションが生まれる土壌を育てることができます」

「そうか、だから健康を経営的な視点で考えることができるのか」

「はい、そして、その考え方に基づいた具体的な取り組みが『健康投資』です」

「今、聞いてて、すごくポジティブな気持ちになれるよ」

「そこがこの考えの良いところでして、結果として『健康経営』は企業イメージの向上につながるんですね。この資料をご覧ください」

出典:「健康経営の推進について」令和2年9月 経済産業省 ヘルスケア産業課 p20

「いいね、いいね。興味深いよ。従業員に健康投資することはメリットがたくさんあるんだね。何より「働き方改革」の今の時代に求められている考え方だと思うな」

「はい、その通りだと思います。今、ご覧になっている資料は経済産業省が出しているもので、まさに国をあげて実践を促していこうという新しい取り組みになっています」

「これからのトレンドになるかもしれないね。じゃあ、さっそくどんな取り組みをしたらいいか教えてほしいな」

「分かりました。では健康投資のアプローチをご説明します」

まとめ

  • コロナ禍をきっかけにテレワークが導入されたが、その結果、新しい健康課題が持ち上がっている。
  • テレワークに伴う従業員の健康管理上の課題として、運動不足、生活リズムの乱れといった身体的なもの、コミュニケーションロスからくるメンタル的なもの、テレワーク環境の不備などが挙げられる。
  • 従業員の健康を経営の視点から促進する考え方が「健康経営」である。その具体的な実践を「健康投資」と言う。

いずみの目

山田CIOとのセッションの中で、テレワークでの従業員の健康課題が見えてきました。そういった従業員の健康課題を解決するアプローチのひとつに「健康経営」があります。「健康経営」の実践が、テレワークという状況下のみならず、もっと大きい視座で、企業にとってメリットが多いということを確認できました。次回は、その実践をいかに具体化していくのか、その方法・プロセスを見ていきたいと思います。

[ITブレークスルー代表 森川 滋之 記]

* この物語は、筆者の見解をもとに構成されています。
  日立システムズの公式見解を示すものではありません。
* 文章中に記載された社名および製品名は各社の商標または登録商標です。

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